トップコミットメント

東日本大震災で被災された方々に心よりお見舞いを申し上げるとともに、被災地の一日も早い復興を謹んで祈念いたします。

2010年度を振り返りまして

画像:ミネベア株式会社 代表取締役 社長執行役員 貝沼 由久 ミネベアグループは2010年度に、それまでの環境レポートを発展させる形で、初めてのCSRレポートを発行しました。そして、CSRマネジメント・社会・環境とそれぞれの項目で2011年度の目標を立てるなど、これまでに当社グループが「五つの心得」を基礎に積み重ねてきた社会的責任の取り組みを、CSRの切り口で整理し、体系化を進めた1年でした。また、CSR基本方針を社内へ浸透させる一環として、CSRレポートの縮約版を作成し、従業員に配布しています。

当社グループは「社会を支える精密部品メーカーとして、『信頼性が高く、エネルギー消費の少ない製品を安定的に供給し、広く普及させる』ことを通して、地球環境および人類の持続可能な発展に貢献すること」をCSRの基本方針としています。2010年度には、この中で、社会にとって欠かすことのできない当社グループ製品の「安定的な供給」に大きな影響を与える問題が顕在化しました。

年度後半には、サプライチェーン・マネジメントに大きな影響を与えるレアアース(希土類元素)の調達問題や、紛争鉱物資源への規制強化などが課題となりました。これらに対し当社グループは、危機管理委員会内にレアアース問題ワーキンググループを設け、各種資材の調達の安定化について対応を開始し、また紛争鉱物資源問題に対して調達プロセスの厳正化を進めるなど、当社グループが果たすべき社会的責任の遂行に努めています。

東日本大震災は事業継続の観点から自らを省みる契機となりました。地震発生時、当社グループでは速やかに危機管理委員会を設置して情報の一元管理に努めるとともに、原材料・資材の安定的な調達を踏まえたグローバルベースでの製品供給責任を果たすべく、被災地域内のお取引先様の復興支援や、物流ルートの確保などさまざまな対応を行いました。今後は、今回の震災の教訓を生かし、より安定した供給体制を構築します。

「真摯なものづくり」の追求の重要性を再認識しています

当社グループの経営の基本方針である「五つの心得」の筆頭は「従業員が誇りを持てる会社でなければならない」というものです。今回の東日本大震災の際、率先して対応にあたる従業員を見て、当社グループを支えているのは、紛れもなく一人一人の従業員であるということをあらためて認識し、従業員が誇りに思える企業づくりをしなければならないと、「五つの心得」に込められた意味を再確認しました。

震災の被害を大きく受けた日本経済の復興に向けて、一企業市民として協力していくために、私たちの原点である「真摯なものづくり」の姿勢をより徹底していきたいと考えています。どのような事業環境においても、ものづくりへの情熱・こだわりを忘れず、より高品質で高付加価値の製品を安定的に提供していくことが当社グループの社会的なミッションです。そのためにも、効率的な生産に引き続き取り組んでいくこと、新たな技術を生み出すための研究開発に力を注ぐこと、環境にも配慮した事業運営を継続すること、株主の皆様、お取引先様、地域社会などのステークホルダーとの対話を今後も積極的に行っていくことが重要であると思います。こうしたことこそ「五つの心得」により代々の経営者たちによって私たちに受け継がれてきた原点であり、当社グループのCSRの推進力であると考えています。

当社グループは、世界中にいるさまざまなバックグラウンドの従業員が互いに多様性を認め合い、良好なコミュニケーションを通じ一致団結して総合力を発揮しているグローバル企業であると自負しています。当社グループがその社会的責任を果たしていくために、この特性を深化させこの難局を乗り越えていくことが重要だと考えています。そして、「真摯なものづくり」を追求することで当社グループの持続的発展と企業価値の向上を実現し、社会への貢献をさらに深めていきます。

2011年度の取り組み、今後に向けて

今回の震災によってBCP(事業継続計画)の重要性があらためて認識されました。これまで工場・事業部単位で設けられていた当社の災害復旧計画・防災計画を全社的なBCPへと発展させる作業を加速させ、軽井沢工場をモデル工場としたプランを早急に策定します。さらにこれを全製造拠点へと展開し、2012年度にはグループ全体のBCP策定、運用を目指します。

2010年度発表しましたカンボジア進出は、当社グループの量産拠点としては17年ぶりの新規の進出となりました。このプロジェクトは当社グループの成長の鍵の一つと考えており、既に賃借工場でのモーターの生産と自社工場の建設を開始しました。2011年12月に予定されている自社工場完成後は、小型モーターの生産拠点として強固なものに育て上げていきたいと考えています。カンボジアという新たな地での事業展開は、「真摯なものづくり」の信念をあらためて確認し、従業員一人一人の意志が試されるチャレンジの場でもあります。また、生産拠点の分散化という意味でも、事業の継続性の観点において大きな意味があります。

カンボジア工場は、タイおよびマレーシアの当社生産拠点から部品を調達して組み立てるネットワーク生産体制の一部として機能します。特に、長年にわたって地域に根付いたCSR活動を推進しているタイからは、工場操業といったビジネス面だけではなく、CSR活動の推進や地域社会との良好な関係づくりなどもカンボジア工場に取り入れることができると考えており、タイ拠点の取り組みを好事例として、カンボジアの地域特性に合わせた取り組みを進めていきます。また、経済活動の面から両国の交流を促すことで、当社グループがタイとカンボジアの懸け橋となり、ひいてはアジア地域全体の発展に貢献できればと考えています。

2010年度の第三者意見でご指摘を頂いたCSR中長期目標の策定については、2010年度に策定したCSR目標を足掛かりとし、当社グループのステークホルダーとの関係を見直し、さらに関係を深めていくための重要な目標として、来年度レポートでご報告できるよう策定を進めていきます。

今回、CSRレポートの発行は2回目となりました。レポートの発行を通じて、皆様に当社グループの事業活動やCSRの取り組みの進化をご理解いただき、またご意見を頂戴して今後の企業活動に反映させていきます。多くの皆様からの忌憚ないご意見をお待ちしています。

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