第三者意見

画像:株式会社日本政策投資銀行 環境・CSR部長 竹ケ原 啓介氏 昨年の本欄では、グループ環境レポートからCSRレポートへと内容を大きく転換する過程で-半ば不可避的に-生じた問題として、シナリオ提示の弱さを指摘させて頂きました。同時に、次の2011年レポートでは、こうした一時的な問題が解消され、新たなミネベアグループのCSR経営の方向性がより明確に提示されてくるであろうと予想していました。今回、その期待は良い意味で裏切られました。本レポートでは、全編を通じてグループCSR経営像が極めて体系的に示され、その説得力は小生の予想をはるかに上回るものでした。

白眉は、巻頭掲載の2つの特集です。省エネモーターの開発という時宜を得た素材を用いて語られる、技術を通じた社会貢献にかける意気込みや若手技術者への視線、そして、グループ最大の生産拠点であるNMBミネベアタイにおける、地域と密着して展開されている地道な環境・社会面でのさまざまな取り組み。いずれもミネベアグループが考えるCSRとは何かを能弁に語ってくれる好事例です。文字通り「真摯なものづくり」の真髄を具体的に見せてくれる素晴らしい特集だと思います。

加えて、新たに設定されたCSR目標によって、グループの根底を支える「五つの心得」とCSR基本方針・活動方針、その後に連なる個別報告が有機的につながったことも、本レポートにおける大きな進歩といえましょう。これにより、分野ごとに貴グループが考えるKPI※が明らかとなり、全編を通じてCSR経営が読み取りやすい構成になりました。

また、掲載されている図表類が総じて簡略化され、一見して内容が理解しやすくなった点も、上記の変化の一環でしょう。CSR目標の提示に伴い、レポートの想定読者(ステークホルダー)の範囲を、従来よりも拡大したものと理解しました。

今後は、巻頭のトップコミットメントで貝沼社長が述べておられるCSR中長期目標がどのような形で示されるかに注目したいと思います。これは、今回の大震災を踏まえ、あらためて強調されている「高品質で高付加価値の製品を安定的に提供していく」というグループの社会的ミッションを掘り下げる作業にも通じるところがあるように思います。例えば、(1)「高品質・高付加価値」という点に関して、グリーンプロダクツの基準設定に合わせて、グループが製品を通じて社会にもたらしている便益(環境性能の効果)を「見える化」すること、(2)「安定的な提供」に関しては、トップコミットメントで指摘されている「紛争鉱物」に代表される資源調達リスクを、サプライチェーンにおけるCSR(調達)の問題として対処する、などといった取り組みに期待したいと思います。

「地域と共に成長する」を標榜する貴グループだけに、今回の大いなる進化を踏まえ、今後、さらに広範なステークホルダーを視野に入れたCSR経営像が提示されることへの期待を禁じ得ません。

※KPI:Key Performance Indicator (重要業績評価指標)

竹ケ原 啓介氏

一橋大学法学部卒業後、日本開発銀行(現株式会社日本政策投資銀行)に入行。ドイツ駐在、調査部や政策企画部、公共ソリューション部CSR支援室課長などを経て、現職。その他、中央環境審議会 総合政策部会「環境と金融に関する専門委員会」委員、環境省「環境ビジネス市場規模・雇用規模調査 対象業種・サービス検討委員会」委員などを務める。

第三者意見をいただいて

画像:常務執行役員 CSR推進本部長 今仲 政幸 2010年度に引き続き、大変貴重なご意見をいただきました。まことに有難うございます。

CSRレポート発行2年目の今年度は二つの特集記事を掲載致しました。この特集記事が、ミネベアグループが考えるCSRとは何かを物語っているとご評価頂きましたこと、嬉しく思います。

反面、ご指摘頂いたビジョンや方針を中長期的にどのように実現していくのか、全体的なシナリオの提示の弱さにつきましては今後の課題として認識しております。単年度の目標は設定致しましたが、中長期目標は2012年度のレポートまで延ばさざるを得なく、力不足を感じております。

CSR中長期目標を策定し、2012年度より運用をスタートさせるためにも、「CSRマネジメントのPDCA推進体制構築」が重要な要素であると認識しております。これは2011年度目標にも設定しているものです。「高品質で高付加価値の製品を安定的に提供していく」というミネベアグループのミッションを念頭に置き、2011年度目標の達成に努めていくとともに、それを足掛かりとしてCSR中長期目標の策定に取り組んでまいります。

引き続き「読みやすい、分かりやすい」レポートの作成に心がけ、さらに今回のご意見をもとに、CSR活動の改善を図り、レベルアップに努めてまいります。

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